群馬大大学院の英之教授が電気部品製造の明清産業(前橋市粕川町、山田徹社長)と協力して、ウイルスなどを分解する光触媒を取り入れた銅繊維シートを開発したことが話題となっています。
実験では、大腸菌を壊す力を確認したと発表されており、今後新型コロナウイルスにも効果的かどうかの検証に入るそうです。
この発表は、ネガティブなニュースが続いてる中で嬉しい発表ですね。
今後の検証次第になるかと思いますが、希望の持てるニュースとなります。
どうなるかは分かりませんが、新型コロナウイルスにも効果的であることを祈っております。
スポンサーリンク
大腸菌とウイルスの違い
そもそも大腸菌は細菌の一種となります。
つまり大腸菌とウイルスの違いというのは、細菌とウイルスの違いというわけですね。
わかりやすく違いを箇条書きで記したいと思います
大腸菌(細菌)
- 大きさ:ウイルスの100~1000倍程度
- 増え方:細胞分裂によって自己増殖する
- 治療:抗生物質
ウイルス
- 大きさ:細菌の100~1000分の1倍程度
- 増え方:生物の細胞に入りその細胞の分裂と一緒に増殖する。自己増殖できない。
- 治療:抗ウイルス薬
これが、一番大きな違いですね。
細かいところはまだまだありますが、これさえ知っていればおおまかな違いはつかめると思います。
これを踏まえると、大腸菌を壊す力があることは喜ぶべきことですが、だからと言ってウイルスに確実に効果があるのではないかと予想することもまた難しいこともわかると思います。
しかし、そこで今回画期的なのが、光触媒と銅繊維なんです。
スポンサーリンク
光触媒とは?
光触媒とは、光を照射することで、物質が光を吸収して化学反応を起こす現象を利用した、特定の化学反応の反応速度をはやめる作用を示す物質の総称です。
言葉が難しいですよね。わかりやすく言うと、光を利用する物質というイメージでいいかと思います。
今回の発表によると、光触媒は、紫外線が当たった時に触れている有機物の酸化を促しているそうです。
有機物というのは、炭素を含む化合物の大部分をさすものです。
化合物というのは、二種類以上の元素が化学反応を起こした後に作られる物質のことです。
わかりやすく言うと、二種類以上の元素からなる物質という意味でしょうか。
化合物の例は、水なんかが分かりやすい例かもしれません。水は『H2O』ですよね。そして『H2O』は二つの水素原子『H』と一つの酸素原子『O』の化合物になっています。
まとめると、光触媒は、紫外線が当たった時に触れている『炭素を含む二種類以上の元素が化学反応を起こした後に作られる物質』の酸化を促しているということになります。
ここのポイントは、『紫外線が当たった時に触れているという有機物』部分です。
今回は、そこに銅繊維を用いています。
なぜ銅繊維なのかも説明されていました。
3月に米国の大学などが、銅に付いた新型コロナウイルスの生存時間が他の素材に比べて短いとする研究結果を示したことを参考にしたみたいです。
そこで、銅繊維の技術を持つ『電気部品製造の明清産業』と協力して開発したということになります。
光触媒と銅繊維シートにおける実験内容
板橋教授によると、
- 大腸菌のみ
- 大腸菌を銅繊維に触れさせる
- 大腸菌を光触媒の銅繊維に触れさせる
この3パターンで30分間の観察をしたところ、
- 大腸菌のみ⇒そのまま
- 大腸菌を銅繊維に触れさせる⇒大腸菌のみに比べて菌が1割に減少
- 大腸菌を光触媒の銅繊維に触れさせる⇒大腸菌のみに比べて菌が1万分の1に減少
このような結果になったと言っています。
今後は、ウイルスを扱える施設と協力して検証を深めていくそうです。
これが新型コロナウイルスにも効果的だという検証結果が出れば、もっと嬉しくなれますね。
一刻も早く検証をして、効果を確かめていただきたいという気持ちもありますが、検証作業などは大変だと思います。
やはり研究は、健康があってこそだと思うので板橋英之教授自身の体調が悪くならぬよう無理をなさらぬよう祈っております。
そして、今後の活躍を期待したいですね。
スポンサーリンク